新年おめでとうございます。
昨年は自然エネルギー学校2年目、最上町にてYAMAENEDAYS、農家ソーラーと、盛沢山の一年でした。中でもドイツの最新情報を二度にわたって聞けたことは、自然エネルギーの行く先を考える大きな示唆を得ることができました。そして、昨年は自然エネルギーを取り巻く状況に大きな変化が表れ、問題も顕在化した年でもありました。山形県でも他地域にもれず、メガソーラーが圧倒的な勢いでFITの設備認定(実際の導入ではなく)を取ってきました。その中で大きな問題となったのが、飯豊町と大石田町の山林に計画された200MWと100MWの巨大メガソーラーです。ブローカーを介した海外資本によるものですが、地域の受け止め方は反対ばかりではありませんでした。12月には山形県の条例が改正され、巨大な山林開発に対して環境アセスが実施される見通しとなりました。また、バイオマス発電が既存含めて9カ所も計画され、中には住友商事や関西電力といった会社が行う輸入バイオマスによる50MWと75MWの発電も出てきてます。そして、巨大開発による環境影響を懸念する声も高まりました。メガソーラーもバイオマス発電も山が狙われた格好となりましたが、それだけ山の管理が地域の手に負えなくなっていたからでもあります。
やまがた自然エネルギーネットワークとしても、自然エネルギーを推進していくだけではなく、山の管理をいかに進めていくか、地域が主体的に考えられるような活動が必要であることを痛感させられました。太陽光発電にしろ、バイオマス発電にしろ、3.11以降、FITの導入と合わさって、私たちは自然エネルギーをいかにつくるかということに集中してきました。しかし、自然エネルギーは使ってこそ意味があるもので、ドイツではすでに自然エネルギーを「つくる」から「使う」段階に入っていることも分かりました。皆さんの出資で完成した「さくらんぼ市民共同発電所」の電気の販売先を地球クラブに切り換え、生協を通してその電気を購入することができるようになりました。これも自然エネルギーでつくった電気を使うという道を切り開く、重要な一歩だと言えます。やまがた自然エネルギーネットワークの強みは、自然エネルギーをつくる人だけでなく、使おうとする人たちのネットワークでもあることです。今年は、自然エネルギーを使うための活動に力を入れていきたいと思います。
最後に、パリ協定の理解が日本でも徐々に深まり始めました。そして、地球温暖化問題に対していよいよ世界が本格的に動き始めたことを感じさせられる場面が増えてきました。3.11を契機に生まれたやまがた自然エネルギーネットワークですが、地球温暖化対策という観点でも自然エネルギーは欠かせません。山形という地域のためのみならず、地球規模の問題解決にも使命を持って活動に取り組んでまいりたいと思います。
本年も、やまがたの自然エネルギーの持続可能な発展に向けて、どうぞよろしくお願いします。
やまがた自然エネルギーネットワーク代表 三浦秀一