舟形町の廃校を利用して4月にできたばかりの長沢集学校で開かれた、やまがた自然エネルギー学校第3回。日本各地のみならず世界中を駆け回る論客、相川高信さんを招き、バイオマスによる地域のエネルギー転換ー世界のエネルギー動向を見据えてーと題しての講演でした。山形でもバイオマス発電が乱立するなか、世界、東京、地方という視点からバイオマスの見え方の違いを最初に紹介していただきながら、次のような内容のお話が聞けました。
世界の再エネは太陽光と風力のコストが低下して再エネの主役になりつつある一方、欧州のバイオマスは飽和状態に近づき、日本のバイオマスは東京から見れば微々たるものにしか見えないものになっている。しかし、この山形にいれば目の前は森が広がり資源が存在するという現実を見なければならないし、地方でのポテンシャルは大きい。また、バイオマスは変動する風力や太陽光などの調整力としての役割も期待される。
バイオマスの熱には電気のFITのような制度がないが、今後の温暖化対策において二酸化炭素排出への課税は避けられないだろう。バイオマスとして日本でこれから重要なのは小型ボイラ。これまで日本に導入されたバイオマスボイラはコストが高く、当面の目標として20万円/kW+補助金を目指す必要がある。今後、重要なのは地域アライアンス。地域の設備屋、燃料供給者、建築士、行政などがいっしょになってボイラを導入できる体制を構築していく必要がある。
こんなふうに相川さんから繰り出されるグローバルな話からローカルな話まで。激変する再生可能エネルギーの中、森林のエネルギー利用を考えるたくさんのヒントがありました。会場の丸く配置された家具の中、参加者とのディスカッションも弾んでいきました。