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YAMAENE DAYS 2016
地域で生きるためのエネルギーづくり 「移住、定住、そして再生可能エネルギー」
講師渡辺智史×平野彰秀×井筒耕平×山口啓一×赤川健一 /
DATA2016年9月3日(土) / 大江町
呼び名をYAMAENE DAYS として、はじめて地域に出て行ったフォーラムは大江町を会場にしました。自然エネルギーの現場に近いところで開催しようというねらいでもあります。そしてテーマは移住、定住と再生可能エネルギー。おそらくこういう切り口で自然エネルギーを取り上げたイベントはなかったのではないでしょうか。自然エネルギーは地域の資源を使って、地域に雇用をも生むことで、エネルギーだけでなく、地域そのものを持続可能なものにするということが期待されています。ならば、それは移住や定住という形になっていくことになります。もちろん、移住や定住は自然エネルギーのためだけではないはずで、地方で暮らすこと自体の意味があるはずです。オルタナティブなエネルギーの選択と、オルタナティブな生き方には関連があるんじゃないか、ということで今回のYAMAENE DAYSは、実際に移住、定住し、自然エネルギーをつくり出している4人のゲストに語ってもらいました。そして、この中の二人、岐阜県石徹白地区の平野 彰秀さん、岡山県西粟倉村の 井筒 耕平さんを、よみがえりのレシピの渡辺 智史監督が取材して自然エネルギーを取り上げた映画「おだやかな革命」を製作中。渡辺監督にも駆けつけてもらい、映画の一部を初公開してもらいました。そして、山形県内にも移住、定住しながら自然エネルギーに関わろうとする人がいるのです。大江町七軒地区の山口啓一さん、そして最上町の赤川 健一さんです。
平野さんはコンサルタントとして石徹白の小水力発電の取り組みに関わっていき、2011年に家族とともに移住。奥様は洋品店を開いて野良着を復刻せんと活動されています。石徹白は人口270人ほどの集落ですが、移住者がここ8年間で13世帯32人というから驚きです。そしてこの石徹白集落では、ほぼ全戸100世帯が出資しての農協を新たに設立し、2016年に116kWの小水力発電所が完成させたのです。実は、石徹白では電気利用組合が水力発電所をつくって昭和30年まで、水力発電で自給していました。こうした地域にかつてあったものを現代によみがえらせることが大事なのだと。また、行政から事業を持ちかけるのは失敗するパターンで、自然エネルギー学校などをやりながら住民が主体的に関わるようにしなければいけないという話は我々にとってもいい教訓でした。
井筒さんもまたコンサルタントとしてバイオマスエネルギーなどの調査業務を行っていましたが、自治体の計画づくりに飽き足らず、一度きりの人生、新しいことやろうという心情のもと、自ら実践の道に入るために岡山県に移住。ローカルベンチャーの育成に熱心な西粟倉村で奥様がゲストハウスを運営し、井筒さんは薪ボイラの熱を売るというスタイルでやっています。それをメガソーラーや大規模なバイオマス発電とは違う、土着型JA的熱供給事業と位置付けています。なぜ田舎なのかというと、空き物件という資産があるからローリスクで事業ができるのだそうです。ただし、地方にはディレクターとなる人材が少ないと、組織のマネジメントと地域のマネジメントを重ねて見せてくれました。
山口さんは、山形市から大江町に家族で移住。薪ストーブで冬を過ごしながら自給自足的な暮らしを楽しみながら、地区の中で森林資源の活用に奔走。赤川さんは東京のIT企業に勤めるも、家族のいる故郷最上町に住まいを移しながら遠隔勤務。家で所有する森の管理を考え始め、地元の有志で木の駅プロジェクトを立ち上げました。
なぜ移住者が増えるのかという問いに対して、平野さんも、井筒さんも、何か秘訣があるというものではなくて、移住した人が楽しそうにやっていると、人が人を呼ぶのだということでした。二人とも自然エネルギーをきっかけに移住したわけですが、それは移住して自分がやって見せなければできないという部分と、地方で生きていくことの喜びや可能性を感じたからなのではないかと思います。今回の4人のゲスト、平野さんは地方にはコミュニティがあると、井筒さんは地方にはビジネスチャンスがあると、山口さんは山には豊かな時間があると、そして赤川さんは山にはやさしい故郷があると、語ってくれたように思います。今回のフォーラム、エネルギーのことを語り合ったというより、新しい社会の新しい生き方を感じさせられる一日でした。
(三浦秀一)

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